先日、某高校の進路講演会に講師として行ってまいりました。高校3年生と保護者の皆様が対象で、熱心に聞いていただきました。受験直前ということで、受験校の選び方、併願作戦、これからの勉強方法についてお話しさせていただきました。講演会の後、数名の生徒さん、保護者の方とお話させていただく中で、私は驚いたのは間違った情報が非常に多いということです。
例えば
「私立大の公募推薦入試は成績が良くないと受験できない。」
「公募推薦は一般入試よりも難しい」
「近畿大学は関関同立をぬいた」
「近年の私大の入学定員の厳格化により有名私大は過去最高の難度に」
「学歴社会は崩壊した」
「公立のトップ校の生徒はほとんどが国公立大学に進学できる」
「公立トップ校は大学受験指導が手厚い」
などです。
すべてがまるまるウソというわけではありませんが、正確さに欠けることは否めません。どこでこういった情報が流されているのかと言えば、おそらく受験情報誌ということではなく、週刊誌や経済誌などかと思います。週刊誌の受験に関する特集の内容は、読者の興味をかきたてることに主眼がおかれたり、出版界は某私立大の出身者の力が非常に強く、また某私大は地方の公立トップ校出身者が非常に多いことから、どうしても記事が公立高校贔屓になりがちなのもあるかもしれません。
酷いものでは、某経済紙の「入学後に生徒の学力が伸びる(すなわち入試偏差値にくらべ進学実績が良い)高校ランキング」に塾業界の人間であれば、逆に最も勉強させないで学力を落とすのでおすすめしない高校がトップクラスにランクされていました。これは、独自に算出した数値が不適切ということですが、しっかりした監修者がいればこのような記事がでることはなかったかと思います。また、某週刊誌は市立西宮高校の進学実績の向上を、まさかのグローバルサイエンス科の設置と説明していました。グローバルサイエンス科は平成16年の設置ですし、それ以前より普通科理数コースがあったわけですから、近年の進学実績の大躍進の説明としては、全くおかしいということになります。
もちろん、週刊誌にも非常に面白い記事・特集もありますし、すぐれた記事もあります。ただ、受験や進路にかかわる内容は信頼のおける媒体を参考にされるといいと思います。週刊誌や経済誌の受験特集ではなく、受験情報誌や塾よりお渡しする情報誌などをみていただくのが良いと思います。