今日は当塾の中3生に教室で模擬試験を受けていただいています。兵庫Vもしという兵庫県の公立高校の入試そっくりな模試です。この時期は皆さんどの高校を受験しようか、志望校に内申が足りるかなどといろいろ心配されているかと思います。
近年よくいただくようになった質問に、「大学入試が推薦が主流だったら、高校のレベルを下げて上位で入学できる高校にしようと思うのですが。」といった内容です。たしかに、指定校推薦であればほぼ「学習成績の状況」(21年度より名称変更されています。旧評定平均値のことで、5段階で4.5といった形で出されます。)で決まりますし、総合型入試(旧AO)や学校推薦型にしても、「学習成績の状況」がよければ非常に有利になります。
このご質問に対する私の答えは「受験校のレベルを下げるのはやめておいたほうが良い。」ということになります。理由としては、同じ高校に入学する生徒の学力は上位・下位と大差がなく、中学の時の成績がその高校の入学者の中で良いからといって、高校でも良いとは限らないからです。中学の学習内容は基本的ですが、高校になると急に難しくなります。急に難しくなった場合に対応できる生徒と対応できない生徒がでてきます。中学までであれば、学習内容が基本的ですから努力すればある程度は誰でもできるという側面がありました。しかしながら、高校生になると全く勉強ができなくなる生徒がいるのも事実です。
とくに公立トップ校に進学できる場合は、公立中堅上位クラスの高校に下げるのが絶対にやめておいたほうが良いと思います。たしかに公立上位校には、旧制の高等女学校であった場合など指定校推薦枠が山ほどあるケースがあります。兵庫県では、県立西宮や県立芦屋、県立夢野台などが指定校推薦枠が多い高校になります。それでも公立トップ校に行ったほうが良いというのは、上記の理由とともに、就職に影響する可能性があるからです。大学入試が私立大学を中心に推薦が主流になっているため、学力がないのに一流大学に入学している学生が多いことを企業は知っています。難関大学の中でも関西学院大学はとくに酷い状態で、大学に入学して皆さんが驚くのが一般入試での入学者を探すのが大変ということです。このような状況ですから、企業は就職試験の際に大学名とあわせて高校名を見ることが多いということです。この際、公立名門校を卒業していれば威力を発揮します。特に地方の名門公立高校出身が企業うけが良いそうです。
ただし推薦狙いがだめというわけではなく、非常にまじめな生徒さんで、将来の希望がある程度定まっているような場合は、商業系や工業系に進学し推薦を狙うというのはいいとは思います。また、大学の附属校で内部進学を狙うというのはいいとは思います。高校のレベルをわざわざ下げてしまうのはあまりにリスクが大きいということです。