小学生から高校生まで、算数(数学)に次に苦手という生徒さんが多いのが国語かと思います。小学生と高校生はもちろん、同じ小学生・中学生であっても原因が様々です。今回は国語が苦手な理由についてお話いたします。

国語は苦手な理由は以下のようなものがあります。

1.国語(現代文)という教科を誤解している

2.日本語の運用能力がない

3.そもそも本文を読まない

4.論理的思考能力がない

国語が苦手な生徒さんは、上記のどれかに当てはまる、あるいは複合的かと思います。

1が最も多く、よく現代文はセンスであるだとか言われますが、そのようなことは一切なく、文章中に書かれていることのみを根拠として客観的に答えをだす教科です。しかしながら、多くの生徒さんが知らず知らずのうちに「どう思うか?」に問題をすり替えてしまいます。「どう思うか?」が問題になるならば、生徒の数だけ正解が存在することになってしまいます。テストが成立しなくなってしまいます。実は学校の教師も多くは誤解しており、「国語は答えが一つとは限らない」などということもあるようです。学校の国語は「どう思うか?」が重要ですから、学校の教師が悪いわけではなく、まったく別の教科と考えるのが妥当であると思います。

2については、現代文の学習をある程度進めており、国語という教科への誤解はなく客観的に読めるようになってからぶち当たる壁です。日本語の運用能力がないというのは、簡単にいえば、正しい日本語が習得できていないということです。そんな生徒いるの?と不思議に思われる方も多いとは思いますが、よく「感情語」のみで会話している人がいると思います。文脈とは何なのかさえわからないという生徒さんもおられます。

3については、小学生に非常に多い理由です。問題文を読まなければ、絶対に解けるはずはないのですが、文章を読むことに抵抗があるのか読まない生徒が多いです。また、設問になっている箇所(傍線がある部分)の前後のみ読む生徒もいますが、これも同じです。文章全体を通して筆者の言いたいことを掴む必要がありますが、部分部分を読むだけではその部分が筆者の言いたいことかどうなのかはわかりません。

4についてはいわゆる地頭に関わるところです。数学(算数)と国語の成績に非常に強い相関関係があるのは両教科とも、論理的思考能力が重要な教科であるからです。本来は国語ができて数学ができない、あるいはその逆は考えにくく、多くは単に毛嫌いしているにすぎません。

では、国語ができるようになるにはどうすればいいのかご説明します。それは、上記の1と3を解決することになると思います。(2については何年あるいは何十年かかるかもしれないですし、それでも無理かもしれないと思います。そこに、労力をはらうのは得策とはいえません。)特に、1については、読解法という方法論は非常に習得が容易です。1980年代に現代文の読解方法を初めて世に示した、代々木ゼミナールの田村秀行先生は、当時授業を受けて偏差値が20上がった生徒や、先生の本を読んで偏差値が3カ月で15上がったという生徒が全国で続出しました。もちろん、こういった急激に偏差値が上がる生徒は上記の2~4に問題がないことが前提となりますが、現代文の読解方法の習得が容易であることを示しています。(ちなみに、田村氏の読解方法は現在の塾・予備校講師なら知っていますから、当たり前のことにはなっています。それでも、田村氏の書籍は現在でも売れ続けています。)つまり、国語という教科に対する誤解をなくし、正しい読解方法を習得すればある程度は確実に成績は上がるということです。

また、3については、普通は6年生にもなれば、テストの時くらいは本文を読むようになりますから心配はないと思います。