「うちの子は勉強方法がわからないようなんです。」
「勉強している時間は長いようなんですが、思うように点が取れなくて。」

保護者の方とお話しすると必ずこうおっしゃる保護者がおられます。ところが実際は「勉強法という高度な話」ではなく精神面の問題であるともいえるのが実情ではないでしょうか。

生徒を指導していると、問題をどんどん解いているのですが全然赤の丸や訂正の赤字が入っていない生徒がいます。「丸つけはしたの?」と聞くと「えっ!丸つけするの?」「あとでやる。」などびっくりするような答えが返ってきます。言うまでもなく、問題を解いたらすぐに丸つけをし、解説を読んで、自分の考え方のどこが間違っているのかを確認するのが当然だと思います。その後、再度解いてみて解けるようになるまで繰り返す必要があります。また、覚えないといけないのに覚えていなかったことをチェックして覚える。これをきっちりやっていれば、成績の上がらない子はいないはずです。

ところがこんな簡単に思えることができない子が多いんです。それは、自分が今やっている勉強(作業)に何の意味があるかを全く考えていないからです。とくかく今、解説を読むのが面倒なんです。解きなおすなどはさらに面倒なことです。勉強をやれと言われたからやっているのに、何がいけないんだというのが子どもの気持ちでしょう。成績が絶対に上がらない勉強をしていますが、それでも本人は自分は頭が悪いと決めつけてしまいます。

このような状態になっているのは中学生までで、精神的な成長とともに解決することではありますが、それでは間に合いません。そこで私たち塾の講師は生徒にこんこんと言って聞かせるのですが、なかなか分かってくれないのが実情です。まる付けもしなければ、間違った問題は永遠に間違い続けるわけですし、正解になっている問題も時間の経過とともに忘れてしまいます。しかし、生徒の話をよくよく聞いてみると本当はなんとなく気づいている子が多いんです。でも改めない、それは生徒の優先事項が、親や先生に言われたから勉強する、「時間つぶし」「とにかく〇〇時間勉強したという事実」にあるからです。

「今、あなたがやっている勉強に何か意味はあるか?1点でも多くとれるようになるか?」と生徒に嫌われながらでも私は質問し続けています。少しでも結果がでれば、モチベーションもあがり、このようなこともなくなってきますから。