街を歩いていると目につくのは、コンビニ、歯医者さん、マッサージ屋さん、冷凍餃子屋?さんとならんで、個別指導塾ではないでしょうか。個別指導塾でも講師1名 対 生徒1名、1対2、1対3、1対4、1対5、1対6・・・と指導形態は実に様々です。では、なぜこれほど多くの形態に分かれているのでしょうか?
それは、勉強するにあたって重要なことはインプットとアウトプットのバランスだからです。インプットは自分の中に入れる・・・つまり何かを見たり、聞いたりして、自分の中に知識や情報として取り入れることです。アウトプットは、話す、書く、文章にするなどして、自分の中から外に出すことで知識を定着させることを言います。
どちらが重要かということですが、普通の公立中学に通う生徒ならば、圧倒的にアウトプットが重要です。というのは、公立中学で学習するものは義務教育の範囲内ですから、本当にいくら頑張っても理解できない生徒は非常に少ないのです。このように言うと必ず、「テストで10点や20点の生徒もいるじゃないか!」という方がおられます。実は、10点や20点ならともかく30点くらいの生徒さんは、概ね理解できているんです。「そんな馬鹿な!」と思われるかと思いますが、29年生徒の指導にあたっている私の言うことですから信じてみて下さい。なぜ、30点というような点数になるのか、それは知識が定着していないからなんです。数学であれば、講師から説明をうけ理解はできても、自分ひとりで解けるようになるまでは、何度も自分で解いてみる必要があります。英語についても同様です。理解はできても、単語を覚えていなくて書けなければ得点にはなりません。つまり、かなりのアウトプットが必要というわけです。一般に
インプットが3に対して、アウトプット7くらいの割合が最もふさわしいとされています。
ですから、1対1の個別指導塾はインプットの割合が高すぎるということになります。普通の公立中学生が1対1の個別指導塾に通うのは非常に贅沢ですが、しかも自分で意識してアウトプットの時間を取らないと成果がでないということになります。逆に1対6の個別指導?塾はインプットの時間が取れるのかなという疑問があります。
ただし、塾によってそれぞれ事情は異なります。インプットの段階で非常に難しい生徒さんを指導される塾もありますし、超難関私立を受験させるので、たっぷり解説の時間が必要というインプット重視の塾もあります。講師1名で10人の生徒を指導する塾のアウトプット重視の意図も私は理解できます。塾によってそれぞれ意図があるかと思います。
塾探しをされている方は、まず塾長先生になぜその指導形態(1対2や1対5ということ)なのか聞いてみて下さい。明確な理由を答えることができなければ、その塾は入塾されないほうがいいと思います。まさか、「塾業界はブラックなんで、講師不足が激しくて本当は1対2でやりたいんですがやむなく1対5でやってます。」などと答える塾長はいないと思いますが