今年度は新学習指導要領がスタートし、特に英語の教科書がかつてないほど質量ともに大幅に増加しました。小学校で学習した英単語700語は「知っているもの」として扱われ、L1から一般動詞とbe動詞が出てきて、助動詞のcanはL2というこれまでは中1の秋頃に学習していた内容が中1の1学期のテスト範囲になりました。
予想通り現場は大混乱のようで、特に小学生の英語塾の通塾が一般的ではない地方など影響が大きかったようです。そこで当塾では、今年度の2学期期末テストまでの問題を分析し、テスト問題の変化を調べてみました。
まず、1点目はリスニングの配点が高くなったことがあげられます。これまでは10%~20%程度の配点でしたが、全国の平均で30%、高いところではなんと中間・期末テストの70%がリスニングという中学校もありました。もちろんリスニングはすぐにできるようになることはなく、とにかく毎日聞くことと、教科書に出てくる表現がリスニングにも出ているようでしたので、教科書に出ている表現に習熟することが重要です。当塾では新年度より演習講座で各課に出てくる表現を使ったリスニング問題に取り組みます。
2点目は読解問題が教科書本文から出題されることが少なくなり、実力長文が主流になったことです。これまでは教科書本文から読解問題を出題する中学が圧倒的に多く、教科書本文をすべて覚えておけば(英作できるようにしておけば)テストは90点以上取ることができました。今年度は教科書本文より出題する中学校は3割程度となっており、代わって実力長文を出題する学校が9割にものぼっています。ただ、教科書本文はそのまま出題されていなくとも、教科書本文にでてくる熟語や構文などは別の問題で出題されています。また、実力長文の中にもテスト範囲で学習した文法などが含まれており、完全に実力長文というわけではないようです。
3点目は英作文は和文英訳ではなく、自己表現力や実用性を測る出題になったことです。たとえば「相手が夏休みに何をしたいのかを聞くとき何といいますか?」といった問題です。学習の到達基準が「正確な知識を身につける」といったものから「知識を使ってどのように表現・思考できるか」に変わっているようです。
最後4点目は、テスト範囲外からの出題が非常に多くなっている点です。これまで、中3生や学力水準の高い地域の中学で見られた傾向ですが、今年度は全国的に40%程度はテスト範囲外からの出題のようです。中間・期末テストもほぼ実力テストになっているとも言えます。日頃からコツコツ勉強すること以外に対策はありません。
上記の傾向は地域や中学ごとの傾向はなく、全体として上記の傾向になることは間違いないようです。新学習指導要領に従っているということでしょう。当塾でも、このような傾向をふまえたテスト対策を行ってまいります。