生徒の皆様より通知表をお持ちいただいておりますが、いつも評定を見て不思議に思います。
・中間テストと期末テストの平均点で20点の生徒が評定3
・中間テストと期末テストの平均点が58点の生徒が評定2
これは同じ中学、同学年、もちろん同じ教科です。評定は絶対評価で観点別評価になっていますので、このようなこともあり得ることは理解できます。また、絶対評価にも観点別評価にもその意図することころも十分に同意し賛同しています。ただ、上記の生徒2人とも指導している私としては・・・・。
問題は、これが中学3年生の場合に入試に使われるということです。現行の制度では、通知表の評定=内申点ですから公平性・平等性が求められます。しかしながら、中学や教師、地域によって評定のつけ方が大きく異なる状態で高校入試の内申点はつけられています。実際に東京都のある地域では、上位7割にいれば4以上になるという地域があります。逆にいえば評定3は下位の3割に入っているということです。
また、中学3年の2学期には多くの生徒の評定が上がるのも不思議です。評定の2はほとんど消えておりますし、少々難しいかなという志望校の生徒には合格ラインぎりぎりの内申点まで引き上げられています。私立志望の生徒にも、高校が要求する評定をつけていることが多いようです。(私立高校は中学校に、評定や実力テストの基準を伝えており、それをクリアしている生徒を受験させています。)これとは別に、オール5の生徒がいなくなる傾向もあります。
これらのことを考えると、志望校は少し無理かなと思うくらいの高めの高校を学校に伝えておくということが、最も得をする可能性が高いということになってしまいます。通知表の評定は現在の制度でもいいと思いますが、高校入試の内申点に使うものはやはり相対評価にするべきだと思います。全国的な公立高校の不人気は、コロナでの学校休校時の対応や、私立高校の授業料の実質無償化だけが原因ではなく、内申制度への不信感も一因ではないでしょうか。
☆中1生の2学期の通知表の評定が下がるのは、上記の理由とは別に絶対評価ということが大きいと思います。中1の1学期は学習内容が簡単ですから素点は高くなりがちです。ということは絶対評価で評定をつけると5や4が多くなります。ところが2学期は学習内容が高度化しますので、素点が下がるので評定も下がることが多いということです。1学期は5だったのに3に一気に下がることもあるのはこのためです。お子様の成績をじっくり見ていただいて、相対的にはどうなっているのかを見ていただくのがよろしいかと思います。