高校1年生はそろそろ2年生の選択科目を考える時期かと思います。前回、大学受験に数学が必要な高校生は少数派であることを説明いたしましたが、それでも数学を選択してしまう生徒さんがおられますので再度確認いたします。

高校生で数学が必要になるのは、理系の生徒と国公立文系の生徒になります。理系に進学希望であれば数学選択は必須ですが、問題は国公立文系です。国公立文系は非常にハードルが高く、実際に進学できるのがトップの公立高校で上位6割、地域2番手・3番手クラスの中堅校で上位2~3割、偏差値50程度の高校でトップ10名で行けるかどうかです。しかも、この数字は地方の国公立大学も含めています。

ですから現実的に国公立大学に進学するのは非常に厳しく、難解な数学を捨て3教科に絞ってしまうほうが得策となります。しかも、絞るのは早ければ早い方が良いと言えます。もっとも悲惨な例で、頑張って5教科の勉強を最後まで続け5教科で偏差値が45程度という生徒がいたとします。一部の地方国立大(島根大や鳥取大、秋田大、琉球大など)であれば合格するかもしれませんが、本当に行きますか?ということです。(因みに地方国立大は就職活動の際に学歴フィルターにはかからないようです。学歴差別は受けにくいようです。)ちなみにこういった生徒さんは、近くの私立大を併願受験しようとして産近甲龍を受験しても、おそらく厳しいでしょう。私立は一般入試で3教科ですから、5教科まんべんなく勉強してきた生徒さんにとっては厳しい戦いとなります。

高校1年生の段階で現実的な選択を迫ることは、少々気が引けますが失敗のないようにしたいところです。ちなみに、数学と理科を捨てて3教科にしても受験できる国公立大学もあります。近隣の大学だけでも

神戸市外国語大学(英・国・社2・情報)
滋賀大 経済(英・国・社1)
福知山公立大 地域経営(なんでもいいので3教科)
大阪教育大 多文化リテラシー・音楽表現・スポーツ科学(私立型の3教科+情報)
奈良県立大 地域創造(英・国・他はなんでも可)

などになります。特に滋賀大の経済学部は名門で就職は極めて良好ですからおすすめです。また、難易度はかなり高くなりますが、神戸市外国語大学も数学なしで受験できますからチャンスと言えそうです。