テスト直前ということもありますので、前々回、前回に続いて今回も成果の出ない勉強法についてお話します。
3つめは、「ワーク(問題集)を1回しかやらない勉強法」です。
このタイプ生徒さんも多いように思います。ワーク(問題集)の1回目は、一番苦しい初見の問題を解く作業です。せっかく苦しい1回目の作業をやりながら、2回3回と繰り返さないのはもったいないと思います。1回解いただけでは身につくことはなく、2回目からようやく身についてきます。習得するまでの繰り返しに必要な回数は、人によって2回~14回と非常に幅があることは研究によってわかっています。ただ、ほとんどの人は3回繰り返せば、ほぼ定着しているようです。
2回で完全に習得できるのは、私の29年の指導経験でも3姉妹全員が公立トップ高に進学、高校でも学年1位、全員が現役で京大合格という生徒さんや、灘中3年で高3生と一緒に模試を受験し東大A判定といった生徒さんです。しかし、こういった生徒ほど繰り返し学習する傾向があります。
ですから、学校のワークをテスト1週間前の段階で完成させていない状態では、テスト結果は間違いなく悲惨なものとなるでしょう。学校に提出しないといけない1回目を仕上げてからが本当の勉強になります。自分ができていないことをできるようにするという自分の勉強です。
最後に、繰り返し学習するのは学校のワークなのか塾のワークなのかをお話します。もちろん両方やれば万全なのですが、時間も限られており難しいと思います。その時は、塾のワークがいいと思います。これは私が立場上言っていることではなく、そもそも教材としての出来が違います。また、著作権の関係で英語や国語の教科書本文の引用率が圧倒的に違うことも理由としてあります。ただし、学校の先生が学校のワークからそのまま出題することがわかっている場合は学校のワークを繰り返し学習するべきなのはいうまでもありません。