昨日は実力が安全圏にありながら、まさかの不合格になる理由についてご説明いたしました。本日はその逆で、逆転合格を果たす理由についてご説明いたします。

よくE判定(要努力圏合格可能性20%以下)で合格した生徒を派手に広告に載せる塾や予備校がありますが、本当にそんなことは可能なのでしょうか。実はほとんどのE判定での合格のデータはデータの汚れと言えるもので、たまたま体調が悪くまともに受験できなかった時のデータや、すでに合格している生徒が学校や塾に強制的に受験させられ、真面目に受験しなかった時のデータが紛れ込んだものにすぎません。本当にE判定の実力であれば合格することはまずありません。

しかしながら、ごくまれに本当にびっくりするような生徒が合格することがあります。高校受験でも大学入試や中学受験でもあります。その理由としては

・入試問題との相性が良い

⇒模試はどの業者の模試であっても標準的な良問が出題されます。ですから実力通りの結果になります。しかしながら、入試問題は学校ごとに問題に個性があります。悪問だらけの学校もあります。

・サボっていた生徒が猛烈に追い込んだ

⇒能力がありながらサボっていた生徒は、伸びしろも非常に大きく、秋の段階での模試でE判定だった時とは別人のようになることもあります。

このうちのはじめの入試問題との相性については、実は受験生ができることがあります。それは過去問の徹底研究です。よくE判定でも過去問をやれば合格すると思っている方がおられますが、それはありません。過去問を解いて実力が向上することはないからです。過去問の研究の目的は、

・出題形式になれる

・出題者の求めるものを考えて、その分野を勉強する

・自分の学力と入試問題の乖離を考える

の3つです。過去問の利用方法は、まず最新の問題を時間をはかって解きます。時期としては入試の範囲の学習が一通り終わった段階です。一度解いてみれば、現段階の自分の実力と合格ラインとの乖離が分かりますし、何を勉強する必要があるのかがわかります。勉強するべき内容が明確になるわけですから勉強の方向性が見えてきます。また、この時に捨てるべき問題がある場合にはそれも分かります。下位の高校は特に、見栄をはって誰も解けるはずのない難問を出題することがあります。もちろんこのような問題に時間を使うのは得策ではありません。

2年前~5年前の入試問題はもう少し後の時期に解くとよいでしょう。2~5年前の入試問題を解く目的は時間配分の調整です。入試問題によっては制限時間が非常に厳しいものもあります。解く順番を自分なりに決めていくことになります。この時に、実際の制限時間より少し短めの時間で解くのが良いと思います。試験当日は緊張して時間が足りなくなることがよくあるからです。

これだけやっておけば、自分の実力以上の点数はとれませんが、実力相応の点数はとれるようになります。